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今日ご紹介する本は麻布の先生から紹介していただいた本です。
麻布の入学試験の内容から想像できることではありますが、麻布では本を読むことが本当に推奨されています。文芸に限らず、人文科学、社会科学、理工科学、歴史、哲学、、、と本屋さんでよく見る分類のように様々なジャンルの本を毎月推薦していただいています。その他に、授業中にも先生から本を推薦いただくことがあるようです。
今日の本は、入試が終わった後の、入学説明会で、麻布の先生から紹介していただいたものです。
『モーツァルトはおことわり』(マイケル・モーパーゴ 著)
この本は20世紀前半の欧州で行われた差別や迫害を背景とした物語です。マイケル・モーパーゴさんのことはそれまで知らなかったのですが、この本を読んで調べてみると、イギリスの児童文学作家とのことでした。この本も多くの絵が描かれていて、子どもたちが読んでも分かりやすいように書かれています。
以前にも書きましたが、子どもたちが戦争や紛争のことをどれだけ想像できるか、深く考えられるようになるか、ということはとても大きな課題です。震災についても同じことが言えます。
当事者にとってみれば、戦争や紛争に大きいも小さいもありませんが、世界各地でこれらが絶えることのない現代だからこそ、知ることが大事だと、中学受験勉強を伴走しながら考えていました。
一般的な中学受験の社会科では「〇〇年に △△戦争が行われた」という事実を学びますが、そこではどんな利害関係や対立があったか、まで問うのが麻布の社会です。それは、歴史的事実の背景には常にそこで生活している人々がいる、という考え、つまり他者理解、に繋がると感じました。市井の人々の生活を想像する、ということ。
読書はそれをサポートしてくれると思い、出典を狙うだけでなく、戦争を扱ったものも意識して読むようにしていました。以前ご紹介した『この世界の片隅に』の他にも読んでいきました。以下のものはその1つです。
『パンに書かれた言葉』(朽木祥 著)
こちらは上記の『モーツァルトはおことわり』と同じ時代のことが書かれています。主人公が自分の名前の由来を探しながら、自分の家族のルーツや歴史を理解していきます。
『モーツァルトはおことわり』と『パンに書かれた言葉』の内容に共通することがあります。
それは、大人たちが子どもに向けて、封印されていた家族や自分たちの歴史を自分たちの言葉で伝えていく、ということです。
忘れてはいけない歴史があり、それを次世代に伝えなくてはいけない。『モーツァルトはおことわり』を紹介していただいて、麻布の先生からのメッセージの1つとして受け止めました。
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