【麻布対策】社会① リアル ー本当は正統派ー

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「麻布の社会はリアルだ」というのが私なりの表現です。

「企業内のチームに所属した選手は、会社の仕事をしながら練習や試合をこなします。プロ選手のように独立せず企業内のチームに属することは選手にとってどのような利点がありますか。答えなさい。(2019年麻布中入試問題「社会」より)」

「経済発展により(中国内の)賃金が上がっているにもかかわらず、なぜ日本の企業は中国に工場を残したのでしょうか。理由を答えなさい。(2020年麻布中入試問題「社会」より)」

そして、今年(2023年)は、、、

「麻布中学校でよく耳にする会話です。(先生)『教室の掃除当番、さぼらないでください。困るのは君たちですよ』(生徒)『じゃあ、お金を払って掃除業者に頼めばいいじゃないですか』、、、」というリード文で始まる問題文は公共事業の話に展開されていきます。

「近年の地方公共団体と民間企業の協力事業のなかには、下の図5のような形で公共施設の運営を民間企業の資金や技術を利用してサービスの向上につなげようとする動きがあります。、、、(1) 地方公共団体と民間企業の運営契約は、長期(20~30年間)になることが多くなります。その理由を説明しなさい。(2) 長期の運営契約を民間企業と結んだ場合、地方公共団体または水道使用者にとってどのような欠点がありますか。説明しなさい。」

息子が本番でどのように答えたかとても興味がありますが、、、それは置いておいて、すごいリアルな問題だと思いませんか?「社会」という言葉の意味が、「科目としての社会」というより「世の中としての社会」という意味のように思えます。

このことも初めて過去問を見た時に受けた衝撃の1つでした。。。

他の科目もそうですが、麻布の入試問題は、学問という視点で言えば、「ザ・正統派」だと私は思います。ぱっと見、特徴的で、特異な問題ばかりのように見えますが、それは、中学受験での勉強内容や他の学校の入試問題との比較においてそう見えるだけです。

そもそも社会はとても生々しいものです。戦争があれば当然、人や国の対立関係、人の生活の破壊、生死が関わってきます。貿易の話があれば、必ず利害関係の衝突があります。公民もそうでしょう。差別する側、差別される側、力の強い側と弱い側、私たちの生活は、多くの人の関係性の中で成立しているのです。

しかし、中学受験で勉強する社会の大半は、そうした生々しさを取り除いて、事実に注目して勉強します。これはある意味仕方のないことです。生々しさを含めて教える、となれば、先生や塾、生徒でそれぞれの考えが生まれて、偏ったものになりやすいからです。俯瞰的に客観的に社会を捉えることはとても難しいです。

けれども、麻布の社会はその生々しさに真っ向勝負しているように私には見えます。事実の背景には必ず、様々な人たちの思惑があります。NN麻布模試で行われた保護者会で、社会の先生は、「他者理解」が麻布社会のキーワードであると仰っていました。ちなみに、、、他の科目と同様に、社会の真っ向勝負は入学後も続いていきます。麻布の中学1年生には「世界」という科目と「生活」という科目があります。視点や立場を変えて、歴史的事実や社会の流れを考えていく、というメッセージは、入学後も変わらず続き、発展していきます。

麻布中入試問題を見てからの中学受験勉強は、、、、麻布中入試の社会の問題が投げてくる、ど真ん中の直球、それも剛速球、にどう挑んでいくのか、真剣に考え続けた1年半でもありました。小学生新聞はもともと読んでいたので、それに加えて時事ニュースは5年生から、今時き教室は6年生から、ルーチンとして読んだり解いたりしながら、常に考え模索し続けました。

「複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れ、さまざまな謎や疑問を徹底的に究明する、、、」上岡さんの名調子がふと耳に蘇りました。。。

つづきます。

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