【本の紹介】(定番)「リマ・トゥジュ、、、」と「そら、、、」

本の紹介

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中学受験勉強中に読んだ本を紹介する「本の紹介」コーナーです。

今日の2冊は、「ザ・定番」と言ってもよい2冊です。ですので、読んだことのある人も多いはずです。

『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』(こまつ あやこ 著)

『そらのことばが降ってくる: 保健室の俳句会』(高柳 克弘 著)

2冊とも中学受験の国語の問題として多くの学校で取り上げられています。異なる著者の本をまとめて紹介するのは作家の先生方に失礼にあたるのかもしれませんが、、、2つともとても爽やかな青春小説です。多感な中学生の日常を、「言葉」に乗せて表現しています。

表紙を見てわかるように、『リマ・トゥジュ、、、』は2名の女子と1名の男子が、『そらの、、、』は1名の女子と2名の男子が中心的な役割を果たしています。

以前、言葉は「切る」という機能がある、と書きました。境界を作って、こっち側とあっち側とに分けてしまう。一方で、言葉は曖昧さを有することで無限の自由を与えてくれる、そんなことをこの2冊を読んで感じました。

6年生のサピックスの国語のテキストに、言葉と現象の距離感について論じた話があったと思います。例えば、日本には「赤色」といったら約200種類の表現がありますが、「赤」と言うことで、その200種類の差異はないものにして一つのものとして扱います。つまり、私が「赤」と思うものと、隣の人が「赤」と思うものは微妙に、けれど間違いなく異なるわけです。現象や物事を言葉という符号に置き換えた場合、必ずそこにはギャップが生じます。ギャップの大きさは個人によって異なりますが、言語の種類によっても異なります。そんな感じで、言葉の持つ曖昧さについて論じていたように記憶しています。

この言葉の持つ曖昧さが逆に自由を与える、と思えることがあります。短歌や俳句は形式が決まっていますが、言葉は境界を作ると言いながらもその境界は曖昧さを有していて、その結果として、形式を超えてとても自由な世界が広がるように感じます。短い言葉の中に読み手と聞き手の世界がそれぞれ広がります。

ところで『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』の意味、分かります?本を読んでこの意味を知った時、「やられた!」って感じでした。このタイトルをつけた時点で、「勝負あり!」です。素晴らしい作品ですので、是非ご一読を。

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