【サピックス】2023年度 受験体験記(中学入試)を読んで

サピックス

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気づいたら、WEB上でサピックスの卒業生(2023年)の受験体験記が公開されていました。昨年までは、通塾していたため、冊子で受け取っていました。

色んな子、様々な家族がいるんだなぁととても参考にしていました。タイムラインに合わせて状況を書いてくれている人もいて、息子の位置を確認していました。その他にも、個性的な文章が多く、読み物としても十分価値が高いものだと思いました。昔、読んだ時、旅人算の問題で、「どうして、兄と弟が別々に出発したり、急に引き返したりするのが、その意味が最後まで分からなかった」というような内容を書いた子がいて、面白い発想だなぁと感心したことを記憶しています。

さて、2023年度版です。

まず最初に驚いたのが、麻布中学について書いている子が一番多いことです(WEBで公開されている人に限っては)。サピックスと言えば、開成、桜蔭、筑駒のイメージを私は持っていましたが、2023年度版では麻布中学の受験体験記を書いている子がダントツに多かったです。

麻布中の受験体験記を読んでみると、みんな、飾らない言葉で、自分が書きたいことを書いている、というのが伝わって微笑ましいです。それから、タイトルの一覧を見るだけでも、個性的な人が多そうだ、というのも伝わってきます。

多くの子が書いていて、「おっ」と思ったのが、麻布の入試問題を「面白い」と表現していることです。私も最初に麻布の入試問題を見た時、その質の高さに衝撃を受けましたが、あの問題を「面白い」と思えることは大事です。

本来、勉強のモチベーションというのは、「面白い」とか「美しい」とか「きれいだ」とかいった情緒的なものに起因すると思います。

しかし、これがどうにも受験に浸かってしまうと、「偏差値を上げたい」とか「順位を上げたい」といった周囲との比較の中に自分の価値を置いてしまいがちです。これを続けていると、いつか必ず破綻します。それは中学受験前かもしれませんし、中学受験後かもしれません。はたまた大学入学後、就職前、就職後かもしれません。私の周りにも、「あなたはなにがしたいの?」と思えるような人が大人になっても少なからず存在していました。一見順調に見える人ほど後になるかもしれません。大人になっても、やりたいことが分からないのです。

私が携わっている「研究」という分野は、とても厳しい世界で、どんな発見でも、日本初というのはあまり意味がなくて、世界初でないといけない、という世界です。その世界初をめぐって世界中の研究者がしのぎを削っています。

しかし、私も年を取ったのか、最近は、たとえ世界初でなくても、自分にとって初であれば、十分意味があると考えるようになってきました。自分にとっての初めての発見、それを「面白い」「美しい」と思う気持ちは、ワクワクしますし、自分の財産になって、自分を豊かにしてくれます。そしてその気持ちはさらなる世界に自分を導いてくれます。

その気持ちの元を辿れば、幼児が、虫や花に興味を持ったり、自分なりの「発見」をして喜んだりする心に繋がります。「研究」といえば、究極の論理の世界ではありますが、その根底には情緒的なモチベーションがあるのです。

このことは、数学者の岡潔さんや藤原正彦さんも指摘しています。

なので、、、麻布の先生方からのラブレターに対して、高得点が取れるから「面白い」のではなく、点数は関係なく、そのラブレターそのものを「面白い」って思える心は、それだけでイイネ!なのです。

長い目で見れば、花を見て「きれいだなぁ」と思う気持ち、発見を見て「面白い」と感じる心、そういったものが根底に流れている必要があるように私も思います。

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