【麻布の日常】文化祭を見て② 麻布の自由

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麻布の文化祭を見学して、単に自由なだけでなく、自治ということもテーマであることを実感しました。それにしても、「自由?自治?自由闊達?自主自立?自主性?主体性?、、、」と麻布に関してよく耳にする言葉がいくつかありますが、それぞれ意味が異なることに気づきました。さらに言えば、私は自分がそれぞれの違いを説明する明確な答を持ち合わせていないことにも気づきました。

自由とは?

麻布の「自由」と言えば、、、息子が入学時にPTAからいただいた『麻布学園PTA会報』のテーマが「自由」についてでした。この会報がすごいエネルギーが詰まった会報なので、貰った時にとても驚きました。

普通、会報って言ったら、せいぜい10ページくらいのもので、年間行事や会計報告などが掲載されるものだと私は思っていました。しかし、この会報は256ページもあります!PTA会報ですよ。もはや会報というより本と言ったほうが適切です。デザインも生徒や保護者の手で作られていて、とても立派な本になっています。

この会報では有志の学生、教員、卒業生、保護者、他校の教員や生徒などが、立場を超えて、寄稿や対談を通じて、「自由」について、活発に意見を述べています。これを読むと、麻布に関わる人々の熱気が感じられるとともに、自分たちのアイデンティティの一部である「自由」を深く考えていることがよく分かります。少なくとも麻布在学中は「自由とは何か」ということに向き合い続けるのかな。

どの寄稿もどの対談もとても興味深かったです。この会報のある記事の中で次の本に触れられていたことが私にとって印象的でした。

『自由と規律: イギリスの学校生活』(池田 潔 (著))

この本は1949年に発行されたものですが、実は私も読んだことがありました。30代の頃、研究と社会の関係、ということを考えていた時に出会いました。たしか、、、藤原正彦さんの著書の中で、武士道との類似性の中で騎士道が紹介され、それに関連してこの本が登場していたように記憶しています。

『自由と規律』の中で強く私の記憶に残っているのは、「ノブリス・オブリージ」の精神が紹介されているところです。オックスフォード大やケンブリッジ大やパブリックスクールの学生が、戦争などの国難時に自ら進んで義務を果たそうとした、というエピソードは強烈な印象と共に私の中に残っています。決して、同義ではありませんが、「いまある環境に感謝して、人のために尽くす」という精神は、どのように子どもたちに伝えたら良いのでしょうか。

『自由と規律』の中では、「社会に出て大らかな自由を享有する以前に、彼等は、まず規律を身につける訓練を与えられる」「彼等は、自由は規律をともない、そして自由を保障するものが勇気であることを知る」といった記述があるように、規律があったうえで初めて自由が成立することが記載されています。

では、規律(≒校則)のない麻布では?

授業や部活、自治活動、個人同士のつながりなど、人と人が協力したりぶつかったりしながら、自分の中に自分オリジナルの規律を醸成させること、そして、それが実現した時に初めて自分の人生の主人公になり得て、真の自由が得られる、という趣旨のメッセージが会報の中にあり、胸に残りました。自由は「与えられているもの」というよりも、自由は「獲得するもの」であって、獲得するための環境や働きかけ、文化が麻布に存在している、ということかな、と会報を読んで私なりに解釈しました。麻布と言えば、「自由」ではありますが、その一部に少し触れられたような気がしました。

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