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「受験に読書は不要」なんて声があるのを知りながらも、もともと本好きだった息子と妻と、色々な本を読みながら過ごした中学受験生活でもありました。中学受験勉強中に読んだ本を定期的に紹介する「本の紹介」コーナー。
今日、ご紹介するのは大ヒット、ベストセラー本なので、読んだことのある方も多いと思います。麻布の国語には出題されないかもしれないけれど、そんなことを気にするなんて、小さい、小さい。小さな中学校から垣間見えるスケールの大きなお話です。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ著)
この本は小説ではなくて、ブレイディみかこさんと息子さんを中心とした実話です。息子さんがイギリスの中学校に入学するところから話が始まります。内容の詳細は省きますが、とにかく通っている中学校や家の周囲の環境の多様性が半端ないです。人種の違い、貧富の違い、、、、それに対するあからさまな差別があって、、でも非常事態時には手を取り合って、、、。
「麻布の社会は『他者理解』がキーワードです」なんて格好つけて言っても、日本の均一性の異質さが、この本を読むことで際立ちます。均一だから、「他者理解」なんて言葉が出てくるわけですね。人と違うことが前提だと、衝突して、妥協して、っていうのが当たり前だから、「他者理解」と悠長に言ってられない。
この本の主人公である息子さんはちょうど11歳で、息子と同い年くらいでした。しかし、とにかく論理的で非常に聡明です。本の中のエピソードを1つ紹介すると、、、
ブレイディみかこさんと息子さんが、ホームレスに「ニーハオ、ニーハオ」と声をかけられるシーンがあります。みかこさんはそれに対して、失礼な態度だとホームレスに腹を立てます。それに対して、11歳の息子さんは、①自分はラテン系と間違えられることもあるが、みかこさん(日本人)と一緒にいることで東洋人に間違われた②みかこさんと歩いていると、女性と子供のペアだから馬鹿にしやすいと考えられた③「ニーハオ」=「Hello」だからフレンドリーに挨拶をすればお金を貰えると考えた、と、声をかけられた理由について、3つの可能性を論理的に話すのです。
みかこさんが、「(ホームレスが)嫌な感じでにやにや笑っていたから③の可能性は違うと思う」と言えば、息子さんは「シティズンシップ・エデュケーションの先生が、『決めつけないで色々な考え方をしてみることが大事であること、それがエンパシーへの第一歩である』と言っていたよ」と返すのです。11歳の子がですよ!
この本を読んでから、妻はすっかりブレイディみかこさんのファンになってたくさんの本を読んでいました。
ちなみに息子が好きなブレイディみかこさんの作品は『両手にトカレフ』だそうです。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』まだ読んでいない方は是非、御一読を!びっくりするよ。
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