【本の紹介】『はじめての』と『君色パレット』

本の紹介

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今回の「本の紹介」コーナーでご紹介するのは、2つ、、、

『君色パレット 多様性をみつめるショートストーリー (1) ちょっと気になるあの人』(戸森 しるこ (著)、ひこ・田中 (著)、吉田 桃子 (著)、魚住 直子 (著)、佳奈 (イラスト)、装丁 川谷康久+趙葵花(川谷デザイン))

『はじめての』(島本 理生 (著)、辻村 深月 (著)、 宮部 みゆき (著)、 森 絵都 (著)、ブックデザイン 鈴木成一デザイン室)

『はじめての』のほうだったかな。サピックスだったかも記憶に怪しいのですが、なにかのテストで出題されていて、この本を知りました。これまでは、「1つの本=1人の著者」という固定概念を持っていましたが、こうやって、数名の作家が作る本もあるのですね。

1つ1つのお話は短編で、とても読みやすく、かつ、メッセージも明確で息子も喜んで読んでいました。

それぞれ4名の作家が書いているので、まとめて紹介するのが難しいですが、、、『はじめての』は「はじめて人を好きになったとき」や「はじめて家出したとき」「はじめて容疑者になったとき」「はじめて告白したとき」などに読む物語、とサブタイトルがあり、読者の「はじめて」に合わせて読むことも勧められています。

また、なんと、、、『はじめての』は大人気のYOASOBIとコラボしています!YOASOBIは様々な小説や漫画をモチーフに曲を作ることで知られていますが、この本の4つのお話はいずれもYOASOBIとコラボしています。それぞれに、ミュージックビデオが作成されていて、「読む」「見る」「聴く」と奥行きを持った世界が広がっています。ちなみに余談ですが、、、私は漫画『ブルーピリオド』が好きで、それをモチーフにしたYOASOBIの『群青』も大好きです。

『君色パレット (1)』の方は、、、一言で言えば、多様性をテーマにしています。「一言で言えば」とただし書きをつけたのは、「本当に多様性と言ってよいのかな?」と少し自分の中に腑に落ちていない部分があるからです。中学受験の国語で出題される本の中に、小学校高学年から中学生くらいの子が登場する時、友人や知り合いの背景が自分と異なることに気づく、というものがあります。

『君色パレット (1)』でも、これまで見えていなかった、友人や家族の一面に気づき、その目を通じて自分のことも少し客観視できるようになる、というテーマが出てきます。「他人と自分が異なることに気づくこと」を「多様性」と表現することに私は少し違和感を持っています。

とはいえ、お話の内容はとてもみずみずしいものです。4つのお話の後にあるメッセージ(例:「どんな「好き」も全部君の気持」)はキュンキュンです!是非、御一読を。(『君色パレット』は3冊ありますので、1冊目が良ければ、是非、2,3 冊目も。)

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