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「読書は不要です」なんてことを言われることもある中学受験ではありますが、、、「そんなことはないでしょう」と読書に勤しんだ息子の中学受験でした。その期間に読んだ本は100冊を超えます。もともと本を読むのが好きな子だったので、勉強の気分転換を兼ねて、楽しく本を読んでいました。
本日ご紹介するのは、、、
『雲を紡ぐ』(伊吹有喜 著、装画 牧野千穂、装丁 大久保明子)
頑張ることを強要する母とそれに応えられない娘の関係から始まるこの物語。複雑に絡んだ人間関係から逃れるために、娘は岩手に住む祖父の家に行きます。そこでホームスパンを作り、自分を見つめなおし、自分の気持ちに気づいていきます。
「分かり合えない母と娘の気持ち」、、、、小学生男子には想像することも難しいテーマのようにも思えますが、実際にいくつかの中学校(男子校を含む)でも出題されたようです。登場人物の気持ちが複雑に絡み合っていて、それを1つ1つ丹念にほどいていく作業は、とても高度な国語力が必要と、この本を読んで思いました。
ところで、皆さん、ホームスパンってご存知ですか?ホームスパンは羊毛を使った織物のことで、日本では主に岩手県で作られています。私は実際に手に取ったことはありませんが、本によると、温かく優しい感じの織物のようです。以前、『お探し物は図書室まで』を紹介する時、羊毛フェルトについて触れました。読書をすると、知らないことがたくさんあることに気づきます。
ホームスパンの温かさを表すようにこの本の表紙もとても柔らかい印象の絵となっています。牧野千穂さんのホームページを見ると、他の書物の表紙を担当されているだけでなく、多くの作品を作られていることが分かりました。どの作品も温かくて、見ていて優しい気持ちになれるものばかりでした。
小学生には難しいかもしれませんが、この登場人物の気持ちの変化を追うことは中学受験で要求されるレベルです。是非ご一読を。
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